監修:
公認会計士・税理士
渡部 致廣(わたなべ ちこう)先生
医療費控除の計算は次の計算式で行うことができます。また、200万円が限度になります。
「実際に支払った医療費等の合計額」-(1)-(2)
*1 その年の総所得金額等が200万円未満の人の場合は、総所得金額等の5%の金額
Aさんは悪性リンパ腫がみつかり、入院・通院を行いました。治療にかかった費用と医療費控除によって還付された額について確認します。
Aさん 年収450万、医療費控除前の所得税+住民税は約30万円
1ヵ月の入院にかかる自己負担額
入院治療費 20万円
食事療養費 4万円
差額ベッド代 6万円
高額療養費制度の適応により食事療養費、差額ベッド代以外の
自己負担額は8万4,097円・・・【A】
高額療養費制度についての説明はこちら
3ヵ月の通院にかかる自己負担額
診療・お薬代 10万円
通院費 2万円
自己負担額は12万円・・・【B】
医療費合計
(84,097円【A】+40,000円(食事療養費)+120,000円【B】)−100,000円=144,097円
*2 医療費控除額=実際の還付額ではありません。
所得税
医療費控除額×所得税率=実際の還付額
所得税率についての説明はこちら(国税庁のHPより)
課税所得が100万円とすると所得税率は5%です。
医療費控除額144,097円×所得税率5%=7,205円
したがって、医療費控除の申告により、所得税は7,205円還付されます。
住民税
住民税は所得にかかわらず一律10%の課税率です。
医療費控除額144,097円×住民税率10%=14,410円
還付額の合計
所得税還付額7,205円+住民税の還付額14,410円=21,615円
合わせると21,615円の税金を減らすことができます。
※これらの金額は目安を示すものです。実際の金額と誤差が生じる場合があります。
仕事・治療費・暮らし
多数回該当や世帯合算などの条件により自己負担の上限額が軽減される場合についてご紹介します。
質問しておきたいことについて、事前にメモを用意して質問リストをつくって持っていきましょう。
リンパ腫の治療には、入院治療、通院治療があります。
ご本人が安心して治療を受けられるよう、ご家族のかたのサポートが重要です。
治療中に生じる副作用について解説するとともに、患者さん自身でできる予防法、症状を和らげるための対策について詳しく解説します。
病気を取り巻く問題である仕事・治療費・暮らしに焦点をあてて、患者さんの生活の身の回りのアドバイスをします。
治療をスムーズに進めるためのポイントやヒントとなる情報をリンパ腫治療のエキスパートよりお伝えします。
ご家族のかたへ
監修:
公益財団法人慈愛会 今村総合病院 名誉院長 兼 臨床研究センター長、HTLV-1研究センター長
宇都宮 與(うつのみや あたえ)先生
大切な人がリンパ腫と診断されたら、ご本人だけでなく、ご家族のかたにも大きな影響を与えます。悲しみや不安を抱えるなか、さまざまな決断をしたり、初めて経験する多くの変化に対処していかなければなりません。今後の療養生活や、ご本人を支えていくうえで重要なポイントを知っておきましょう。