監修:
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 副院長
永井 宏和(ながい ひろかず)先生
リンパ節の腫れや全身症状(B症状)などがみられます
FLでは、病気の進み具合やがん細胞が増えている場所によって、さまざまな症状がみられます。
がん細胞が増えている場所によってみられる症状
監修:
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 副院長
永井 宏和(ながい ひろかず)先生
FLでは、病気の進み具合やがん細胞が増えている場所によって、さまざまな症状がみられます。
がん細胞が増えている場所によってみられる症状
日本癌治療学会 編:濾胞性リンパ腫:患者さんの手引き
ESMO治療ガイドラインに基づいた患者さん向け情報 p10, 2016
FLがどの程度進行しているか(進行度)は、病期(ステージ)であらわされます。FLの病期は、Ann Arbor分類により4つに分類されます。
病期 | 症状 |
Ⅰ期 | 1ヵ所(1領域)のリンパ節または単一のリンパ節外臓器の腫れがある状態 |
Ⅱ期 | 横隔膜より上もしくは下のどちらか一方に、2ヵ所以上のリンパ節やリンパ系組織の腫れがある状態 |
Ⅲ期 | 横隔膜より上と下の両方に、リンパ節やリンパ系組織の腫れがある状態 |
Ⅳ期 | リンパ節以外の臓器にリンパ腫が広がっている状態 |
Carbone PP et al.: Cancer Res. 31: 1860-1861, 1971より作成
病期Ⅰ・Ⅱのようにリンパ腫の広がりが限定的な場合を限局期といい、より広範囲にリンパ腫が広がった病期Ⅲ・Ⅳを進行期といいます。FLは進行が遅く、進行期になって診断される患者さんが3分の2以上を占めます。
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 悪性リンパ腫総論」
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 1濾胞性リンパ腫」
FL はリンパ腫のなかでも年単位でゆっくりと進行する低悪性度のリンパ腫に分類されますが、まれに進行が速い別のタイプのリンパ腫に変わることがあり、注意が必要です。FL病変の一部から、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)などの悪性度の高い病気が生じることがあるのです。
このような変化は形質転換と呼ばれ、FL患者さんでは年間2%の割合で起こるといわれています。形質転換しているかどうかは症状だけでは気づきにくく、例えばFLが治療後に再発した時などには、リンパ腫を採取する生検を行い、検査により細胞の“顔つき※の変化”を確認することが勧められています。形質転換すると、治療方針の変更が検討されることもあります。
※がんの組織の見え方やDLBCLに特徴的なタンパク質など
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 1濾胞性リンパ腫」
日本癌治療学会 編:濾胞性リンパ腫:患者さんの手引き
ESMO治療ガイドラインに基づいた患者さん向け情報 p25, 2016
検査・診断・治療
多数回該当や世帯合算などの条件により自己負担の上限額が軽減される場合についてご紹介します。
質問しておきたいことについて、事前にメモを用意して質問リストをつくって持っていきましょう。
リンパ腫の治療には、入院治療、通院治療があります。
ご本人が安心して治療を受けられるよう、ご家族のかたのサポートが重要です。
治療中に生じる副作用について解説するとともに、患者さん自身でできる予防法、症状を和らげるための対策について詳しく解説します。
病気を取り巻く問題である仕事・治療費・暮らしに焦点をあてて、患者さんの生活の身の回りのアドバイスをします。
治療をスムーズに進めるためのポイントやヒントとなる情報をリンパ腫治療のエキスパートよりお伝えします。
ご家族のかたへ
監修:
公益財団法人慈愛会 今村総合病院 名誉院長 兼 臨床研究センター長、HTLV-1研究センター長
宇都宮 與(うつのみや あたえ)先生
大切な人がリンパ腫と診断されたら、ご本人だけでなく、ご家族のかたにも大きな影響を与えます。悲しみや不安を抱えるなか、さまざまな決断をしたり、初めて経験する多くの変化に対処していかなければなりません。今後の療養生活や、ご本人を支えていくうえで重要なポイントを知っておきましょう。