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介護保険
介護保険は介護が必要な方に、その費用を給付する保険です。
全国の市町村と東京23区(以下市区町村)で、保険料と税金で運営されています。
サービスを受けるには1割~3割の自己負担が必要です。
外来治療
入院を必要とせず、通院によって行われる治療をいいます。がん治療を行っている病院のなかには、外来治療の患者さんを専門に診療する施設を備えた病院もあります。
化学療法
がん細胞を直接的に殺したり弱めたりする化学物質を、お薬として用いる治療のことをいいます。複数のお薬を組み合わせて投与することもあります(多剤併用化学療法)。
合併症
ひとつの病気が原因で発症する別の病気のことをいいます。リンパ腫では、腫れたリンパ節が周囲の臓器を圧迫することにより、その機能障害に伴う症状があらわれることがあります(例:気管の圧迫→気道閉塞、血管の圧迫→血流障害、神経の圧迫→麻痺など)。化学療法や手術などによる合併症は、「併発症」という言葉を使って区別することもあります。
可溶性インターロイキン-2受容体
血液検査の項目のひとつで、リンパ腫で高値を示すことが多い特徴的な物質(腫瘍マーカー)です。ただし、リンパ腫であっても基準範囲内であったり、膠原病やウイルス感染症などによって高値を示すこともあるので、他の検査結果と総合的に判断します。
ガリウムシンチグラフィ
ガリウム-67という物質を利用した画像検査で、腫瘍や炎症がある部位を調べることができます。腫瘍や炎症に集まる性質があるガリウム-67を投与した後で、特殊な装置を使って全身を撮影することで、病変の部位を特定することができます。
寛解
治療により、がんの症状が軽減や消失したり、がん細胞が減少や消失する効果が得られた状態をいいます。効果の程度によって、完全寛解(奏効)、部分寛解(部分奏効) などに細かく分けられます。寛解の状態を維持できれば、安定した毎日を過ごせるようになります。
寛解導入療法
がんの症状の改善やがん細胞の減少や消失(寛解)を目的として、最初に行う治療法のことをいいます。
間質性肺炎
肺は、ブドウの房のように小さな袋状の組織(肺胞)が集まってできている臓器です。吸い込んだ酸素は、肺胞の薄い壁を囲む細かい血管から血液中に取り込まれます。間質性肺炎では肺胞の壁や周辺に炎症が起こるため、血液中へ酸素を取り込みにくくなってしまいます。主な症状は、息切れ、空咳(からぜき)、発熱です。間質性肺炎は、抗がん剤を含むさまざまなお薬の副作用としてあらわれることがあります。
がん診療連携拠点病院
全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるように、厚生労働省により指定された全国の病院です。がん診療連携拠点病院では、専門的ながん医療の提供や、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者さんに対する相談支援や情報提供等を行っています。
完全寛解(完全奏効)
治療により、がんの症状やがん細胞が完全、あるいはほぼ完全に消失する効果が得られた状態をいいます。国際的に使用されるリンパ腫治療の効果判定基準のなかで、最も効果が得られた状態にあたります。寛解の状態を維持できれば、安定した毎日を過ごせるようになります。
感染症
細菌、ウイルス、真菌などの微生物が体に侵入して増殖を続けることが原因で、発熱などのさまざまな症状が引き起こされた状態です。リンパ腫の治療中は、お薬の影響によって免疫力が低下して感染症にかかりやすくなるため、感染症予防が大切です。
がん相談支援センター
全国のがん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院、地域がん診療病院に設置されている、がんに関する無料の相談窓口です。がん治療に詳しい看護師やソーシャルワーカーなどに、治療や療養生活全般、地域の医療機関などについて相談することができます。患者さんやご家族だけでなく、誰でも利用することができます。また、匿名での相談も可能です。
緩和ケア
病気に伴う心と体の痛みを和らげることです。患者さんが「生活の質(QoL)」を落とさずに自分らしく過ごせるように、お薬を使った方法だけでなく、精神面のサポート、食事メニューや味付けのアドバイス、医療費に関する相談など、幅広い対応が必要とされます。
き
救援療法(サルベージ療法)
治療を行っても効果が十分でない場合、あるいは再発した場合に行う治療をいいます。リンパ腫の病型(タイプ)によっても異なりますが、多くは抗がん剤を含む複数のお薬を組み合わせた治療になります。
胸骨
胸部前面の中央にある縦に長い骨です。リンパ腫の骨髄検査では、胸骨や腸骨(腰の骨)に針を刺して骨髄液を採取します。
拒絶反応
臓器移植においてドナー(提供者)から移植された臓器が、患者さんの免疫反応によって異物とみなされて、攻撃・傷害を受ける現象をいいます。これとは逆に、リンパ腫の治療で行われる同種造血幹細胞移植では、移植したリンパ球や造血幹細胞からできたリンパ球が、患者さんの体を異物とみなして攻撃することがあります(移植片対宿主病)。症状は、皮膚のかゆみ、肝機能障害、下痢、吐き気などさまざまです。
く
クレアチニン(Cr、CRE)
筋肉で作られるタンパク質の老廃物で、通常は腎臓でろ過されて尿中に排泄されますが、ろ過機能が低下すると血液中に溜まっていき、高値を示します。
クレアチニンクリアランス(CLcr、Ccr)
腎臓のろ過機能を調べる検査項目です。尿中に排泄されるクレアチニンを指標にして、お薬が体内に蓄積しやすい状態であるかを評価することができます。クレアチニンクリアランス値の低下は、腎臓のろ過機能の低下をあらわします。その場合、お薬の効果や副作用が強くあらわれることがあるため、お薬の量を減らして調節します。
け
形質細胞
白血球の一種であるBリンパ球(B細胞)から分化してできた細胞です。形質細胞は、病原体(細菌やウイルスなど)や異物を攻撃するための抗体を作る働きがあります。
血液検査
病気の診断や経過観察のために血液を採取して行う検査です。また、肝臓や腎臓などの機能を確認して、治療において注意すべき点を判断するためにも行われます。リンパ腫での主な検査項目には、リンパ球、C反応性蛋白、乳酸脱水素酵素、可溶性インターロイキン-2受容体などがあります。
血液専門医
一般社団法人 日本血液学会の血液専門医認定試験に合格し、血液の病気の総合的な診断や治療を行うことのできる医師のことをいいます。
血液内科
血液の病気を専門に診断や治療を行う診療科です。造血器腫瘍では、リンパ腫、白血病、骨髄腫などの患者さんを主に対象としています。
血小板
血液を構成する細胞の一種で、出血した際に血を止めるための重要なはたらきをもちます。リンパ腫の治療では、抗がん剤や放射線の影響によって血小板をつくる骨髄のはたらきが抑えられるため、血小板が減少し、出血しやすくなることがあります。
血中尿素窒素(BUN)
腎臓の機能を調べる血液検査項目のひとつで、タンパク質が生命活動のエネルギーとして使われた後に生じる物質のことです。通常、尿素窒素は腎臓を通して尿中へ排出されますが、腎臓の機能が低下すると血液中に残ってしまい、血中尿素窒素(BUN)値が増加します。また、がんの患者さんでは作られる尿素窒素が増えるため、高値となります。
限局期
リンパ腫の病期分類(Ann Arbor分類)のⅠ期(1ヵ所(1領域)のリンパ節または単一のリンパ節外臓器の腫れがある状態)とⅡ期(横隔膜より上もしくは下のどちらか一方に、2ヵ所以上のリンパ節やリンパ系組織の腫れがある状態)をいいます。ただし、巨大な腫瘤がある場合は進行期にあてはまります。
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高悪性度リンパ腫
病気の進行が速く、治療をしない場合、週単位で悪化するタイプのリンパ腫です。バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫などは高悪性度リンパ腫に分類されます。
高カルシウム血症
血液中のカルシウムの濃度が正常値より上昇した状態です。リンパ腫の症状のひとつでもあり、疲労感、食欲不振、筋力低下、喉の渇き、多尿、吐き気、嘔吐などがみられることがあります。
抗菌薬(抗生剤、抗生物質)
細菌を殺したり、増殖を抑えたりするはたらきのあるお薬のことで、感染症の治療や予防に用いられます。リンパ腫の治療では感染症に対する抵抗力が低下するため、抗菌薬の投与が必要となることがあります。
口腔粘膜障害
口の粘膜に起こる障害の総称で、口内炎の他、味覚障害、出血、感染、乾燥などの症状があります。リンパ腫の治療では、抗がん剤や放射線の副作用としてあらわれることがあります。
抗体
体に侵入した病原体やがん細胞などの異物(抗原)を攻撃・排除するためのタンパク質です。抗体には特定の抗原だけに結合する性質があるため、この性質を利用して、がん細胞だけを攻撃する抗体薬とよばれるお薬が研究・開発されています。
骨シンチグラフィ
がん転移などによる骨の病変を調べるための画像検査のひとつです。骨の破壊や再生が盛んな部位に集まる性質があるテクネチウム-99を投与した後で、特殊な装置を使って全身を撮影することで、病変の部位を特定することができます。
骨髄生検
骨髄検査に必要な骨髄組織を採取する方法のひとつで、腰にある腸骨に針を刺して、その骨の内部にある骨髄組織を採取します。詳しく骨髄の状態を調べたいときや、骨髄穿刺で骨髄液が採取できないとき(ドライタップ)などに行われます。