監修:
愛知県がんセンター 病院長
山本 一仁(やまもと かずひと)先生
辺縁帯リンパ腫は血液のがんである悪性リンパ腫の中の非ホジキンリンパ腫というグループに分類されます。辺縁帯リンパ腫は白血球の中のB細胞ががん化して、無制限に増え続けることで発症しますが、進行の速度はゆっくりで他の悪性リンパ腫と比較して予後は良好です※。また、辺縁帯リンパ腫の発症頻度は高くはなく、高齢者に多い傾向があります。
辺縁帯リンパ腫は、病気の程度が軽ければ、すぐに治療をしない場合もありますが、日常生活には注意が必要で経過観察をする必要があります。病気が進行していれば、治療を行いますが、現在では治療薬の開発により治療経過が良くなってきています。ここでは、この病気の原因や症状、診断のための検査と治療について解説します。
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター編.
がんの冊子 各種がんシリーズ悪性リンパ腫, 第3版, 2017
※年単位でゆっくり進行し、他の悪性リンパ腫と比較して予後が良好であることから、悪性度の点からは低悪性度(イントレンド)リンパ腫とされています。
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023
「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 悪性リンパ腫総論」
小林幸夫:日本内科学会雑誌, 97(7) , p1581-1587, 2008