りんぱしゅ通信

リンパ腫と向き合うすべての人へ 治療のこと、暮らしのこと、これからのこと。

検査・診断

検査・診断

監修:
公益財団法人慈愛会 今村総合病院 名誉院長兼臨床研究センター長、HTLV-1研究センター長

宇都宮 與(うつのみや あたえ)先生

リンパ腫が疑われる場合には、さまざまな検査を行います。まずは問診をして、どこのリンパ節に腫れがあるのか、どのような症状があるのかを確認し、血液検査を行います。このほか、腫れているリンパ節の細胞やしこりの一部を採取して調べたり、リンパ腫の全身への広がりを調べる検査を行います。

リンパ腫には非常にたくさんの種類がありますので、検査を行って、まずはリンパ腫であるかどうか、どのタイプのリンパ腫で、進み具合やからだへの広がりがどのくらいかを確認します。

検査の流れ

基本的な検査

  • 問診・触診どのような症状が出ているかを確認します。
    どこに腫れがあるのか、腫れはいつからあるかなどを問診します。また、医師が腫れているリンパ節を直接触って硬さや大きさ、痛みがあるかどうかを確認します。
  • 血液検査白血球数や、肝臓や腎臓などの機能を調
    べるほかに、リンパ腫であることの目印
    (マーカーといいます)となる項目を調
    べます。

    血液検査 血液検査
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 悪性リンパ腫総論」

確定診断のための検査

リンパ節生検
局所麻酔か全身麻酔をして、腫れているリンパ節やしこりの一部を採取して、組織を顕微鏡でみて調べます。採取した組織を使って、染色体検査遺伝子検査を行うこともあります。組織検査によって、リンパ腫のタイプがわかります。

リンパ節生検 リンパ節生検
国立がん研究センター がん対策情報センター:がん情報サービス「リンパ節生検」
(https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/lymph_setsuseiken.html) 2023年9月閲覧]
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 悪性リンパ腫総論」
飛内賢正 監:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, p27, 2015
  • 病気の広がりや進行度を調べる検査

    超音波検査 / 画像検査
    超音波検査や、レントゲン検査CT検査PET検査MRI検査などの画像検査で、しこりの位置や大きさ、広がりを調べます。

    超音波検査/ 画像検査 超音波検査/ 画像検査
  • 骨髄検査
    リンパ腫が骨髄に広がっているかを調べるために、局所麻酔をして、腸骨(腰の骨)や胸骨(胸の中央にある骨)から針を刺して、骨髄液を採取して調べます。

    骨髄検査 骨髄検査
    (イメージ図)
    坂井建雄ほか:ぜんぶわかる 人体解剖図,
    成美堂出版, p31, p176, 2010

その他の検査
リンパ腫が消化管に広がっていることがあるため、お腹の痛みや下痢などの症状がなくても内視鏡検査を行うことがあります。
このほか、脳や脊髄への広がりを調べるために、腰椎(腰の部分の背骨)の間に細い針を刺して髄液を採取して調べる検査があります。

飛内賢正 監:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, p27, 2015
国立がん研究センター がん対策情報センター:がん情報サービス「成人T細胞白血病リンパ腫 検査」 (https://ganjoho.jp/public/cancer/ATL/index.html) [2023年9月閲覧]
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版,2023「第Ⅱ章リンパ腫 Ⅱリンパ腫 悪性リンパ腫総論」
神田善伸 監:ウルトラ図解 血液がん, 法研, p64, 2020
自己負担をさらに軽くするしくみ

多数回該当や世帯合算などの条件により自己負担の上限額が軽減される場合についてご紹介します。

先生への質問リスト

質問しておきたいことについて、事前にメモを用意して質問リストをつくって持っていきましょう。

療養生活のサポート

リンパ腫の治療には、入院治療、通院治療があります。
ご本人が安心して治療を受けられるよう、ご家族のかたのサポートが重要です。

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ご家族のかたへ

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監修:
公益財団法人慈愛会 今村総合病院 名誉院長 兼 臨床研究センター長、HTLV-1研究センター長
宇都宮 與(うつのみや  あたえ)先生

大切な人がリンパ腫と診断されたら、ご本人だけでなく、ご家族のかたにも大きな影響を与えます。悲しみや不安を抱えるなか、さまざまな決断をしたり、初めて経験する多くの変化に対処していかなければなりません。今後の療養生活や、ご本人を支えていくうえで重要なポイントを知っておきましょう。