ま行
ま
抹消血造血管細胞
末梢血(採血をするような血管)中に存在する造血幹細胞のことをいいます。通常、造血幹細胞は骨髄中に存在していますが、骨髄抑制作用の強い化学療法を行った後の造血回復期や、G-CSFというお薬の注射により、末梢血中の造血幹細胞が増えます。採取の際の全身麻酔が不要なこと、移植後の造血の回復が早いことから、末梢血造血幹細胞移植が広く行われるようになりました。
抹消神経障害
いろいろな原因で、末梢神経の働きが悪くなって起こる障害の総称です。筋力低下や筋肉の萎縮により歩きにくくなったり、痛みやしびれが出たり、あるいは逆に痛みや熱さなどの感覚が鈍くなるなど、さまざまな症状が出ます。通常は手や足の先端から始まり、時間とともに悪化していきます。がんの症状、または抗がん剤による化学療法の副作用としてあらわれることがあります。
み
ミニ移植
同種造血幹細胞移植の前に行う、がん細胞を減らすための化学療法や放射線療法を弱くする方法です。がん細胞が少し残った状態で移植を行いますが、ドナー由来の造血幹細胞から作られたリンパ球による免疫により、がん細胞が排除されると考えられています。
む
無増悪期間(TTP)
臨床試験の評価項目のひとつで、「治療開始日」や「診断確定日」、「臨床試験登録日」から、悪化しない状態が続いている期間をいいます。英語ではTime to Progressionといいます。
無増悪生存期間(PFS)
臨床試験の評価項目のひとつで、「治療開始日」や「診断確定日」、「臨床試験登録日」から、悪化しない状態で生存が可能であった期間をいいます。英語ではProgression-Free Survivalといいます。
無治療経過観察
年単位でゆっくり進行する低悪性度のがんに対しては、がんに対する治療をせず経過を観察する場合があります。がんが進行し、抗がん剤による化学療法や放射線療法などの治療が必要となるタイミングをいち早くとらえるため、定期的に通院して検査を受けること、リンパ節の腫れや発熱などの異常があった時にすぐ受診することがとても重要です。
め
免疫
細菌やウイルス、体内で発生したがん細胞などを異物と認識し攻撃することで、身体の健康を守る、生物が生まれながらにもっている自己防衛力のことです。ストレスや加齢などで免疫力が低下すると、いろいろな感染症にかかったり、がんになったりすることがあります。
免疫細胞
細菌やウイルスなどの異物から身体を守る免疫において重要な働きを担っている細胞のことです。好中球やナチュラルキラー細胞のように細菌やがん細胞を直接攻撃する細胞、ヘルパーT細胞のように免疫機能の司令塔の役割を果たす細胞、Bリンパ球のように抗体を作る細胞などがあります。
免疫チェックポイント阻害薬
免疫細胞(T細胞)が異物への攻撃命令を受けとる部位を「免疫チェックポイント」といいます。がん細胞は免疫チェックポイントに結合して、がん細胞を攻撃しないように偽の命令を送ります。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫チェックポイントへ結合するのを阻止して、免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくするお薬です。
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(イメージ図)
免疫調節薬(IMiDs)
抗腫瘍効果に加えて、免疫機能を調節する作用をもつお薬の総称です。多発性骨髄腫や再発・難治性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)などの治療に用いられます。英語ではImmunomodulatory drugs(IMiDs)といいます。